第1次リングスで活躍した元総合格闘家のヴォルク・ハン氏(50=ロシア)が、再始動した同団体で“現役復帰”する。9日、東京・後楽園ホールで行われたリングス再始動興行を訪れ、前田日明代表(53)とともにリングに登場。12月16日の年内ラスト興行(横浜文化体育館)で一夜限りの復帰を果たし、引退試合を行うと発表した。

 ハン氏の日本での引退試合開催を熱望していた前田代表が、リングスの活動再開を機にオファーし、同氏が了承した。対戦相手は現在、調整中。リングサイドでこの日の試合を観戦した同氏は「座って見ていても、体が反射的に動いた。プロの大会には出場していないが、毎日、トレーニングをしているから問題ない」と意欲を口にした。前田代表に直接対決を提案したが「断られたよ」と笑った。

 ハン氏は、91年12月の前田戦でリングスデビュー。サンボの世界選手権を2度制した高い技術力で「魔術師」と呼ばれ、01年にはアントニオ・ホドリコ・ノゲイラと判定にもつれ込む激闘を繰り広げるなど、人気を博した。02年2月のリトアニアでの大会を最後に引退していたが、前田代表は「当時、頑張っていた選手の引退試合をやってあげられなかったのが、ずっと心残りだった。ハンの動きや技術を発揮できるように、エスケープありの昔のリングスルールでやりたい」と花道を用意する考えだ。