<プロボクシング:WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇22日◇英・リバプール

 右目上を11針縫う裂傷を負った大竹は「チャンピオンは実力があった」と脱帽するしかなかった。会場は約1万人のファンで満員。敵地での世界初挑戦にも「逆に落ち着き過ぎた」と動じることはなかったが、無敗の王者に太刀打ちできなかった。

 接近戦を仕掛けたものの、クイッグの巧みな防御に「あまり手応えのあるパンチは入らなかった」と明かした。逆に「特にボディーはうまかった」という多彩なパンチを浴び続けた。

 10回には右目付近から激しく出血。3人のジャッジの採点はいずれも大差がついた。33歳の挑戦者は「チャンピオンのラウンドが多かったのは間違いない」と潔く敗戦を認めた。

 これまでの試合は全て国内で日本選手と闘ったものだった。圧倒的な不利が予想された中、最後まで闘い抜いたのは財産になる。金子ジムの金子健太郎会長が「心が強い。もう一度、今度は国内で世界戦をやらせたい」と言えば、大竹は「こういう大きな舞台でやれたのはいい経験になった」と前向きに話した。