ボクシングの元WBC世界スーパーフライ級王者の川嶋勝重氏(34)が、アクセサリー職人として第2の人生を歩み始めていたことが、27日までに分かった。昨年1月の世界戦を最後に引退し、今年1月から環(たまき)夫人が都内で経営するアクセサリー店「Ring」で修業を始めた。28日には、自身がデザインから手掛けた指輪を初めて発売する。

 「別の世界で成功した方が価値があると思った」。今年1月から環さんに弟子入りし、店が閉店してから1日4~5時間、職人としての修業を始めた。1つのアクセサリーを完成させるのに1週間以上の時間がかかる。技術と集中力。妥協を許さない猛練習で世界王者になった川嶋氏には向いている仕事のようだ。

 6月上旬には、恩師の大橋秀行会長(44)から依頼された、ボクシングのグローブ型のネックレスを納品し、初の“ファイトマネー”を手にした。WBC世界スーパーフライ級王者徳山昌守を1回TKOで破り、初めて世界王者になって丸5年の28日には、デザインから手掛けたシルバーの指輪を売り出す。「妻がつくった結婚指輪を取りに来て、涙を流す方がいる。いい職業だなって。僕も人を感動させる作品を作りたい」と話していた。【森本隆】