<SRC12:東京大会>◇ヘビー級◇7日◇両国国技館

 戦極が名称変更して行うイベント第1弾SRC12で、中尾“KISS”芳広(37=TEAM

 TACKLER)が、ヘビー級エース候補に名乗りを上げた。元幕内力士の戦闘竜(40=志村道場)を寝技からの顔面パンチの連打で、2回3分27秒、レフェリーストップ勝ち。試合後にSRCヘビー級王座の創設を訴え、藤田和之やバーネットとの対戦を要求した。

 中尾が重い鉄ついを振り下ろした。アマレス仕込みのタックルで戦闘竜をマットに転がし、右拳で顔面を痛めつけた。戦闘竜の右目上が腫れ上がり、そのままレフェリーストップでTKO勝ち。08年から指導を受ける高阪剛コーチ直伝の秘技TKクラッチを繰り出すことなく圧勝し「必殺技を出せなくてすみません。戦闘竜はめちゃくちゃ強いんだろうけど、オレが強すぎる」と自画自賛した。

 03年大みそかにバルセロナ五輪柔道95キロ級金メダルのハハレイシビリを倒して衝撃デビューしたが、日本人ヘビー級の層は薄く、マッチメークが難しかった。昨年大みそかはSRCがDynamite!!と大同団結した影響で、試合さえなかった。大みそかを上野のアメ横で過ごした中尾は、一大イベントから外れた屈辱を忘れていない。

 試合後、リング上で「SRCヘビー級ベルトはどこにいったのかな。(創設を)待ってます」と主催者にアピールした。同王座決定戦の相手に藤田、バーネットを挙げた。中尾は「やられっぷりが上手な藤田に出てきてほしい。ゾクゾクする選手とやりたい」と、ヘビー級戦線の主役に躍り出る自信をみなぎらせた。【藤中栄二】