屋根裏から世界の頂点へ。WBC世界ミニマム級4位の黒木健孝(28=ヤマグチ土浦)が19日、同級王者オーレドン・シッサマーチャイ(24=タイ)戦(27日、東京・有明コロシアム)に向けて、茨城・土浦市内で練習を公開。持ち前の変幻自在な動きで好調をアピールした。

 入門10年目。日本王者になった07年5月までは、ジムの屋根裏の4畳半で生活を続けた。屋根裏部屋での生活を脱出した現在も、月収はラーメン店のアルバイトでの8万円のみ。家賃4万円のアパート生活で、夢を追ってきた。王者オーレドンは33戦無敗の強豪サウスポーだが、80回のスパーリングでサウスポー対策は万全。「打って、動いて、先手先手でいけば。自信はなくはない」。練習後は休む間もなく、ジムから徒歩2分のラーメン店で厨房(ちゅうぼう)に入った。屋根裏で培ったハングリー精神で、日本、東洋王座同様、初挑戦で世界を取る。【田口潤】