【米ハワイ19日(日本時間20日)=藤中栄二】石井慧(23=アイダッシュ)が、プロ2戦目に向けて約2カ月ぶりに沈黙を破った。石井は20日(同21日)当地のブレーズデル・アリーナで行われる「X-1

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 EVENT」に出場する。対戦するササエ・パオゴフィー(米国)とともに契約リミットちょうどの102・15キロで前日計量をパス。海でサーフボードに乗る練習など、昨年大みそかの吉田秀彦戦での完敗後続けているハワイ修行の一端を明かし、再起戦への意気込みも口にした。

 ホノルル市内の計量会場で、対戦相手と対面した石井は胸を躍らせた。昨年大みそかDynamite!!の吉田戦以来、79日ぶりとなるリングへ、気持ちは高ぶった。

 石井

 もっと(体重の)軽い相手かと思っていましたが腕が太かったですね。やっと試合ができる。もっと試合を早くやれれば良かった。とにかく実戦を積みたいと思っていたので。1日1日、全力投球の積み重ね。明日も、明日の相手にベストを尽くして積み重ねていくだけです。

 ホノルル市郊外のハワイ・マーシャルアーツ・センターで、打撃や寝技など1日5、6時間消化してきた。指導を受ける嶋西晴臣トレーナーからは、日本では経験のない練習、スタンドアップ・パドリングを勧められた。波で揺れ動く海の上でサーフボードの上に立ち、パドルを使って倒れないようにバランスを取ることで全身の筋肉が鍛えられるという。ハワイ総合格闘技界の英雄で、UFC王者BJペンも行っているという独特の練習だ。

 石井

 ハルさん(嶋西氏)からBJペンがやっている練習だと聞いて、朝早い時間にパドリングをして、インナーマッスルを鍛えています。あとBJペンの体つきになりたくて、少しぽっちゃりな感じにしました。体に柔らかさがあったほうがいいかと思いまして。なのでワッフルを毎日食べています。

 ハワイのビーチで、デビュー戦敗退の傷心を癒やした。自ら運転する車で、日本人観光客が比較的少ないビーチで、海を眺めて気分転換もしたという。

 石井

 やっぱり海は泳ぐよりも眺める方が好きですね。日本には帰りたいと思う時もあるけど、不便さは感じてないので。強くなりたいという気持ちがやっぱり強い。もう(吉田戦の)ビデオは見ていないですね。できればもう1度、戦いたい気持ちはあります。

 計量を終えるとワイキキビーチに足を運び、砂浜に打ち寄せる波を眺めながら、再起戦に向けて高ぶる気持ちを静めた石井は、最後にこう締めくくった。

 石井

 明日の試合から(基本の構えを)サウスポーに変えますよ。変えた理由は試合後に言いますから。

 「日本で(練習を)やるのは恥ずかしい」と、日本を出発して約2カ月。待ち望んでいた再起戦のゴングが、いよいよ鳴る。