全日本の武藤敬司(47)の化身グレート・ムタが、約7カ月ぶりのリングで新マスクを披露することが25日、分かった。代理人の武藤に入った連絡よると、ムタは北米大陸の先住民族インディアンをモチーフにしたマスクをかぶり、29日の両国大会でKENSO(36)戦に挑むという。

 武藤は今年1月、ムタの米国遠征に同行した際、カリフォルニア州の先住民居住区跡を訪問。白人による迫害に耐え抜いた生命力と、大量虐殺による怨念(おんねん)を感じ、その妖気をムタが吸い取ったという。新マスクの上にかぶるずきんには、水牛のようなけものの荒々しさが表れている。デザインを入手した武藤は「野性的で、血なまぐささが漂う。今までにない邪気だな」と絶句した。

 世界をまたに掛けてリングに上がるムタは、これまでも鉄仮面、毒グモなど、各地で負のエキスを吸い取ることで強大化してきた。今回はトレードマークの毒霧もパワーアップしたという。居住区跡の毒ヘビやタランチュラなどの猛毒を混ぜた、危険極まりないものだという。ムタは武藤の長期休養と時を同じくするように、魔界の扉が開かず下界に降りられなかった。たまったうっぷんを、KENSO相手にぶつけるはずだ。【森本隆】