前WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(29=真正)が11月に再起戦を行うことが1日、分かった。長谷川の試合をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長(62)が明かした。相手は調整中だが、2階級上のフェザー級まで転級する可能性が高まり、再起即世界戦になる場合もあり得るという。2階級制覇を狙う元WBCフェザー級王者粟生隆寛(26=帝拳)が同日に、WBC世界スーパーフェザー級王者ビタリ・タイベルト(28=ドイツ)に挑戦することも明らかになった。

 4月30日に11度目の王座防衛に失敗した長谷川が、11月にリングに帰ってくる。本田会長は「粟生とダブルでする。相手は分からないが、今のところモンティエル(との再戦)が難しいから階級を上げる可能性は高い。タイトル戦かはまだ分からないですね」と語った。

 再起戦では、2階級上のフェザー級までの世界王者への挑戦も視野に入ってきた。4月に敗れた3階級制覇王者で現バンタム級王者のモンティエルとの再戦が最優先だったが交渉は難航。長谷川は「モンティエルだからバンタム級にこだわっている。できないならこだわる必要はない。チャンスがあるなら(他の階級も)チャレンジしていきたい」と話し、モンティエル以外なら転級との考えのようだ。

 長谷川は現在、7月31日から粟生、リナレスと千葉県内で走り込み合宿中。「フィジカルトレーニングをしたことなくて10回防衛できた。吸収できたらもっと強くなれる」と、新練習法に貪欲(どんよく)に取り組んでいる。前回の試合で右あごを骨折したが、復帰戦で粟生と同日に2階級制覇の偉業が懸かる一戦になる可能性が出てきた。

 そうなれば、前哨戦なしで未知の階級に足を踏み込むことになる。それでも長谷川は「むしろ減量が(バンタム級ほど)ない分、問題ないですね。どの試合もがけっぷちですから」と笑った。「今はしっかり自分を極めるだけです」と、最高の状態で11月に再起することだけを考えているようだ。