WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(34=帝拳)が大歓声対策も万全にして5度目の防衛戦に臨む。同級1位レンドール・ムンロー(30=英国)との防衛戦(東京・両国国技館)は24日にゴング。西岡はセコンドの葛西トレーナーに、ダウンを奪った際の指示を声でなく大きなジェスチャーで送るよう依頼。「勝利のブロックサイン」で5連続KO防衛を飾る。23日は東京・六本木の東京ミッドタウンで異例の一般公開計量を行い、西岡は54・8キロ、ムンローは54・5キロで一発クリアした。

 土曜日の昼さがりの六本木に大歓声が響き渡った。公開計量の特設会場に、西岡は上下真っ赤なジャージー姿で登場した。約400人の観衆を沸かせると、計量では真っ赤なトランクス姿となり肉体美を披露。リミット体重から500グラムアンダーで楽々パスしてみせると、大きな拍手を浴びた。ムンローとはしっかりと握手。「(公開計量は)テンションが上がりますね。万全の練習ができて体調も最高」。絶好調を宣言した。

 約10年ぶりのサウスポー対策だけでなく、リング外にも気を配っていた。西岡は「言葉だと指示が声援で届かない」とダウン奪取後のフィニッシュまでの指示とガードの確認を、ジェスチャーでするようセコンドの葛西トレーナーに初めて依頼した。両国国技館で世界戦経験がある元WBC世界スーパーライト級王者で帝拳プロモーションの浜田代表は「両国は声がリングに集まるような感じ。大歓声だとどうにもならない。だから動作でと言っているんでしょう」と説明した。

 そこまで見越しての「勝利のブロックサイン」要求に、葛西トレーナーも「それぐらい冷静。頼もしい」と目を細めた。西岡が何度も繰り返してきた「万全」の言葉通り、初防衛戦から5連続KO防衛の準備は完全に整った。【浜本卓也】