国内最速記録7戦目で世界奪取したWBC世界ミニマム級新王者の井岡一翔(21=井岡)に、ビッグなごほうびが用意される。鮮烈な5回TKO勝利での戴冠から一夜明けた12日、大阪市内の所属ジムで会見。有力後援者から高級車ポルシェがプレゼントされることを明かした。6月予定の初防衛戦に向けたモチベーションも高まりそうだ。

 歴史的勝利のごほうびは高級乗用車だった。叔父の井岡弘樹会長(42)が、思い出したように興奮した。「そう、ポルシェですよ、ポルシェ!

 ウソちゃいまっせ」。井岡も続いた。「本当に買ってもらえると思います」。有力後援者とプロデビュー前に約束していた。「世界を取ったら、その人が持ってるポルシェを僕にくれると言ってくれた。でも知り合いに譲ったらしいので、新車を買ってもらえるみたい。うれしいですね」と明かした。

 車好きで、自宅からジムまでマイカー通勤。現在の愛車はホンダ「フィット」。プロデビュー後に、新古車を約100万円で購入した。それが一気にグレードアップ。「車種はカイエンのSがいい。今の車が黒色なので、白にしようかな」と約1000万円のモデルを希望した。

 夢のベルトに高級車もゲット。ただボクシングへの情熱は変わらない。試合後は2週間から1カ月ほど休養するのが通例。ただ井岡はダメージがないこともあり、1週間程度で再始動する予定だ。「休んだら余計にしんどい。継続してやりたいんで」と話した。

 世界王者になった実感はあまりないという。「朝起きて、勝ったんやなと思って安心した。スポーツ新聞を買って読んだ。大きく扱ってもらってうれしかった」。初防衛戦は6月にも開催される。「場所は東京の可能性もある。大阪なら府立体育会館でやりたい」とプロモーターの父一法氏(43)。将来的に3階級、4階級制覇が目標の井岡は「ボクシング人生はここからが始まり。向上心を持って進んでいきたい」と表情を引き締めた。【大池和幸】