<プロボクシング:WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇横浜文化体育館
WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(32=ワタナベ)が「進化の左」で失神TKO劇を演出し、王座統一&V4防衛を成功させた。同級暫定王者ホルヘ・ソリス(32=メキシコ)に左フック、左ボディーを浴びせ続けて敵を消耗させた。11回19秒には左フック一撃で失神に追い込んでTKO勝ち。11年最後の世界戦を白星で締めくくった。勝った内山は18勝(15KO)無敗となった。
11年の集大成を左拳に込めた。11回。内山がゴングと同時に飛び込んだ。左フック一撃。浴びたソリスはリングで大の字に倒れた。気を失った暫定王者にカウントを数えはじめたレフェリーも試合をストップ。同回19秒、TKO勝ちで王座統一に成功した。昨年1月31日の三浦隆司とのV3戦以来、11カ月ぶりの白星に「ただいま帰りました」と2つのベルトを持って笑顔をこぼした。
左で倒したかった。三浦戦で右手根骨と中手骨を脱臼し、約11カ月間も試合間隔が空いた。左を進化させるために歯磨きや食事のはしも左手に変えた。右手が治った今も続けてきた。「スパーリングでも相手を倒していた。倒そうと思ったパンチ」と内山。左の進化で強打を誇る右拳は「ここぞ」で使えた。10回、右ストレートでソリスをぐらつかせた。その直後、強烈な左ボディーを打った。内山は「10回が終わり、ソリスが『うっ』と言った。11回に左で倒そうと思った」と理詰めの作戦で暫定王者を失神TKOに沈めた。
ソリス戦が発表された昨年10月30日は特別な日だった。05年11月に他界した父行男さんの七回忌法要の日。墓前にベルトを置き、必勝を誓って会見に出席した。内山は「プロ3戦目の2週間前、眠り続けた状態の父を見舞った時、5秒間だけ起きて『試合、頑張れよ』と言われた。あれで中途半端なことをしたら親不孝になる」と当時の決意を思い出した。区切りの勝利を天国の父に贈った。
王座奪取から5戦連続KO勝利で、自ら保持する記録を更新。日本人世界王者で1位だったKO率も83・3%とさらに上げた。今年はWBC同級王者粟生隆寛(帝拳)らとの団体統一戦の期待もかかる。今年は内山にビッグマッチが到来しそうだ。【藤中栄二】

