WBC世界スーパーフライ級4位の佐藤洋太(27=協栄)が「七色のパンチ」で王座を奪う。WBC同級王者スリヤン・ソールンビサイ戦(27日、東京・後楽園ホール)に向け21日、都内ジムで練習を公開。この日までに7つの必殺パンチを完成させたことを明かした。

 8人の王者陣営が見守ったスパーリングでは、持ち前の変則スタイルは封印した。「見てましたからね。全開で動いても仕方ないし、手の内を見せたらアホですよ」とおとなしく終了。そんな「死んだふり作戦」の一方、ひそかに「七色のパンチ」を習得していた。

 元世界2階級制覇王者カサレスから盗んだ「カサレス1~3」、同じジムで早大卒の松崎から盗んだ「高学歴パンチ」などがある。将棋の駒では「桂馬」が好きなように、トリッキーな変則スタイルが身上。ガソリンスタンドのアルバイトの休憩中など、暇さえあればさまざまなボクサーの映像を見る。「七色のパンチ」はそんな研究の成果でもあった。

 同じ岩手県出身で体形が王者スリヤンに似ているWBA世界ミニマム級王者八重樫東(大橋)と計54ラウンドのスパーリングで対策を練った。トランクスには「みちのく魂」の言葉も入れる。「王者は(タイから)日本まで来ていただいてありがたいですが、ベルトはいただきます。勝ちます」。1月からの通算スパーリング回数は普通のボクサーの約3倍の300ラウンド。豊富なスタミナに「七色のパンチ」があれば、もう恐れるものはない。【田口潤】

 ◆佐藤洋太(さとう・ようた)1984年(昭59)4月1日、岩手県盛岡市出身。マイク・タイソンに憧れて中学3年でボクシングを始める。盛岡南高3年時の国体3位、インターハイ5位。04年2月のプロデビュー戦は黒星。10年5月日本スーパーフライ級暫定王座獲得。同9月に正規王座に。昨年11月は同級3位大庭健司を4回KOで下し5度目の防衛に成功。プロ戦績は23勝(12KO)2敗1分け。171センチの右ボクサーファイター。