WBC世界スーパーフライ級4位の佐藤洋太(27=協栄)が身体能力で、王者に完勝した。同タイトルマッチ(27日、東京・後楽園ホール)の予備検診が23日、都内で行われ、王者スリヤン・ソールンビサイ(タイ)に身長で10センチ、リーチで18センチも上回った。1分間の脈拍数も41と、マラソン選手並みの心肺機能の高さを証明した。

 10センチ身長の低い王者との初対面。佐藤は自然と見下ろすような形になった。サイズだけでなく恐るべきは脈拍数。女子マラソンの高橋尚子さんは現役時代の脈拍数は30台だったといわれるが「自分もいつもは30台。中学時代は駅伝も走ってましたから」とスタミナ面の自信を口にした。

 身長、リーチで大きく上回る王者に、持ち前の足を使ったボクシングで、確実にポイントを奪う。ボクサーとしては驚異的な心肺能力があれば、フルラウンドの12回に試合が持ち込まれても、スピード、パワーを持続できる。世界初挑戦を前に、有利なデータはそろったものの、本人は浮かれることはない。「数値は関係ない。勝負はリングの上ですから」。気合を込めて金髪に染めた頭の中は、どこまでも冷静だった。【田口潤】

 ◆脈拍

 血液が心臓から大動脈に流れ出る際、血管が波打つ回数。通常は頸(けい)動脈や手首で測定し「1分間に○回」と表記される。精神状態などによって数値は前後し、成年男子の安静時の平均値は60台前半、日本人ボクサーでも50台前半。佐藤の40台はプロアスリートでもまれで、心肺能力の高いマラソン選手並みといえる。