日本初の世界団体王座統一戦に臨むWBCミニマム級王者・井岡一翔(23=井岡)が、強気発言を連発だ。6月20日のWBA同級王者八重樫東(29=大橋)戦(ボディメーカーコロシアム)に向けて29日、大阪市内で練習を公開。「すべての要素において自分が勝っている。KOでも判定でも圧倒的な勝利を見せたい」。将来的な目標に世界4階級制覇を掲げるだけに「この試合は通過点」とまで言った。

 静かな語り口の裏に、豊富な練習量による自信が見え隠れした。ここまで海外も含めた合宿を重ね、試合決定後のスパーリング合計は130回を既に数える。「統一戦に向けて練習の質が上がった。自分が強くなったと感じる」。八重樫は新しく契約したトレーナーと肉体づくりに励んだが、井岡は「じゅうぶん大丈夫」とスタミナ勝負になっても負けるつもりはない。

 この日はタイ人のWBO世界ランカーらと世界戦を想定した12回のロングスパーリング。試合1週間から10日前に行うのが過去の業界の慣例ながら、統一戦の本番までまだ3週間ある。異例の猛デモを敢行し、好仕上がりを披露した。「僕は日本のボクシング界を背負ってる。口だけにはなりたくない」。勝利を求める最大の理由は使命感。単なるビッグマウスではないことを、当日リングで証明してみせる。【大池和幸】