南米流防御に大場流攻撃で、フライ級のベルトを奪い返す。16日のダブル世界戦の調印式が、14日に都内で行われた。WBC世界フライ級1位五十嵐俊幸(28=帝拳)は、王者ソニー・ボーイ・ハロ(30=フィリピン)撃破へ「プラスアルファがあります」と自信を見せた。前半は南米選手が使う頭を振り、ひざを使うウイービングで強打をかわす。中盤からはジム初の名王者大場をヒントに、左ボディーとコンビネーションで攻勢に転じる作戦だ。
五十嵐は世界初挑戦にも、堂々と作戦の一端を披露した。「外して、外して、持ち味のカウンター。前半は様子を見て、中盤から攻めて」。さらに「プラスアルファがある。楽しみ」と付け加えた。挑戦者決定戦から8カ月開いたが、その分、作戦を完璧に仕上げた。「あとは結果を出すだけ」だ。
王者の戦績にヒントがある。3月にタイの名王者ポンサクレックをKOした。右は破壊力あるが、敵地勝利はこの1つで残りは7戦全敗。特にメキシコでの世界戦2度は1回KOと大差判定負けしている。
前半はパンチをかわしきり、消耗もさせる。頭を揺すり、さらにひざを使う。南米選手が使うウイービングを徹底して練習。的を絞らせず、空振りさせる。葛西トレーナーは米ラスベガスのリングや南米修業など経験豊富。実体験した技術を伝授した。
中盤以降は攻勢に出る。王者は2年前に日本でボディーを攻められて大差判定負け。今まで見せたことのない左アッパーをみぞおち、肝臓にぶち込み、さらに弱らせる。トドメは新コンビネーション。右ジャブ3連発から左フック、右ストレートを見舞う。
こちらは大先輩のジム初の王者大場がお手本だ。長野マネジャーから渡された現役時の減量着。当日会場へも持っていく。王者と初めて目を合わせた五十嵐は「握手したら手がカサカサ。王者ならしっかり仕上げてきてほしい」とまで言った。不慮の死で手放したフライ級ベルト。あれから39年ぶりにしてジムへ取り戻す。【河合香】
◆五十嵐戦の主なルール
採点は10点法でフリーノックダウン制。4回までに偶然のバッティングで続行が不可能な場合は引き分け。5回以降は採点。バッティングで負傷の場合、故意なら負傷のない選手から2点、偶然なら1点減点。4回、8回終了後に途中採点公開。日本製8オンスのグローブを使用。レフェリーはヘラシオ・ペレス(メキシコ)ジャッジはルイス・エスカローナ(米国)デビット・メンドサ(米国)申京下(韓国)。

