総合格闘家の桜庭和志(43)が元新日本の柴田勝頼(32=ともにlaughter7)とタッグを結成、23日の新日本・神戸大会で井上亘(39)高橋広夢(22)組と対戦する。8月12日の両国大会に2人で乗り込み売ったけんかが認められた。90年代後半から総合格闘技で一世を風靡(ふうび)した桜庭の新日本リング登場は、UWFインター時代の96年1・4東京ドーム以来16年8カ月ぶり。「総合にはタッグがないから、プロレスでタッグをやりたいと思った。強さを見せつけてやる」と言い切った。

 グレイシーハンターとして鳴らした桜庭の総合出場は一昨年9月のDREAM17が最後。「今は総合より、プロレスに集中したい」という桜庭。きっかけは昨年の大みそかの「元気ですか!!

 大晦日!!

 2011」に柴田と組んで、IGFの沢田敦士、鈴川真一組とタッグで戦ったことだ。「格闘技にはタッグがない。UWFインター時代のことを思い出した。格闘技や他団体からのオファーもあったけど、柴田とタッグの続きをやりたいと思った。で、殴り込むなら新日本と決めた」と言う。

 初代タイガーマスクに憧れたプロレス少年だった桜庭にとって、現在のプロレス界に不満を持っている。「マイクパフォーマンスで、若手が自分に対して『あいつ』とかいうのは駄目。相手を尊敬して戦うべきだ。カメラの前の口は、お笑い芸人に任せておけばいい」と苦言を呈する。

 プロレスを見ることは少ないが、総合格闘技に参戦したIWGPインターコンチネンタル王者・中邑真輔(32)らの動向は気にしている。「中邑はどうしてる?

 クネクネしてる?

 まるで酔拳じゃないか」。

 リング上では強さを見せることにこだわる。「俺たちが新日本の選手と同じスタイルでやっても2人増えただけにしかならない。ローキック連発より、一発をビシッと入れる。130キロぐらいまでなら、原爆固めで投げられる。痛みが伝わるプロレスで、新日本のリングを変えたい」と話した。日本の総合格闘技の歴史を変えた男が、プロレス界に新たな風を吹き込もうとしている。【小谷野俊哉】