WBC世界フライ級王者・五十嵐俊幸(29=帝拳)が、“6連勝”で日本人対決を制する。今日8日のトリプル世界戦計量が7日に都内ホテルであり、6選手はいずれも一発クリアした。五十嵐は同級6位・八重樫東(30=大橋)と2度目の防衛戦に臨む。アマ時代は4戦4勝しているが、04年にはアテネ五輪代表選考スパーリングでダウンを奪って快勝。唯一の日本代表となった。9年ぶり6度目の対戦で、相性の良さに本来の階級での体格差を生かし、先輩を踏み台にする。

 計量後のポーズ写真の撮影。五十嵐が手を差し出し、八重樫に計量台を譲るポーズを見せた。アマ時代から知る2人。1つ上の先輩に敬意を示したが、実績でも、精神的にも、優位に立つ余裕でもあった。

 高校時代の国体予選で初めて対戦した。その後、大学時代に3戦し、五十嵐がアマでは4戦4勝している。さらに忘れられない、鮮烈スパーリングがあった。

 東農大3年の時に、日本からただ1人だった04年アテネ五輪代表の座を射止めた。その代表候補合宿での選考スパーリングで対戦し、五十嵐が右のフェイントから左ストレートを打ち込んだ。物の見事なダウンで大の字にさせた。

 その後、八重樫は合宿に呼ばれることはなかった。五十嵐は「よく覚えてます。いい左でした」と、感触は残っている。「昔のこと」と言うのは、気を引き締めるためだ。

 八重樫の盛り上がった筋肉を「ミニマム級上がりと思えないすごい体」と言った。身長などサイズで上回るが、首回りは4センチ劣る。「ボクシングは筋肉をつければいいとは言えない。逆に柔らかさがなくなり、肩の回転が遅くなる」とは葛西トレーナー。本来の階級から、一気に2階級上げた差は大きい。

 ネットのファン予想は6-4で八重樫優勢。本田会長は「だから五十嵐にやる価値がある」とニヤリ。五十嵐が知名度、人気を上げるためにと直訴した一戦。「いよいよ。素晴らしい試合をします」と、6度目も勝利を確信している。【河合香】