<新日本:両国大会>◇14日◇東京・両国国技館◇9000人
IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(25)が5度目の防衛に成功した。過去2勝2敗1引き分けと、決着戦となった棚橋弘至(36)との対戦を35分17秒、片エビ固めで制した。約2年にわたりベルトを奪い合ってきた宿敵を沈め、オカダ時代の本格化を印象づけた。11月9日の大阪大会(大阪ボディメーカーコロシアム)で、試合後に乱入を受けたカール・アンダーソンとのV6戦を行うことが決定的となった。
痛む右腕で押し切った。オカダは必殺のレインメーカー(短距離式ラリアット)で勝負を決めても、立ち上がることさえできなかった。期待を上回る激闘に、会場は「棚橋」「オカダ」のコールが入り交じる異様な興奮状態に包まれた。試合を通して右腕に浴び続けたドラゴンスクリュー、エルボーのダメージで勝機をつかみきれなかった。
それでも、棚橋のハイフライフローを膝を立てて回避すると、一気に逆襲。最後は気力で乗り越えた。後頭部へのドロップキック、脳天くい打ちを連発。雄たけびを上げ、王者としての誇りを込めた右腕を振り抜くこん身のレインメーカーで決着をつけた。
大歓声に包まれる会場の温度と反比例するかのように、「これで激闘なんて生ぬるい。苦しい試合?
普通です。特別な相手?
そんな感情は…特にありません」。いつもの冷静な姿が強さをさらに引き立たせた。
来年1月4日の東京ドーム大会のメーンで最後に入場するという目標のため、棚橋は乗り越えなければならない相手だった。「2番手」という表現で実力を認める宿敵だ。大ブーイングに包まれた昨年の東京ドームでの対戦要求から1年9カ月。ベルトをかけた数々の戦いは、黄金カードとして新日本の隆盛を築き上げた。だが、立ち止まることを拒んだ。戦前に自ら突きつけた「負けた方がタイトル戦線から当面の撤退」というリスクの高い条件を乗り越えたことで、目標にも大きく前進した。
歓喜の試合後のリング上で、乱入したアンダーソンにガンスタンを浴びる屈辱を受けた。オカダの怒りに火が付かないはずがない。【奥山将志】


