団体王座統一戦の実現へ、同じ階級の世界王者2人が大みそかに「競演」する。WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(33=ワタナベ)が12月31日に東京・大田区総合体育館で同級8位・金子大樹(25=横浜光)と8度目の防衛戦を行うことが29日、発表された。ダブル世界戦となり、WBC世界同級王者・三浦隆司(29=帝拳)は同級2位ダンテ・ハルドン(25=メキシコ)と2度目の防衛戦に臨む。両王者は来春にも実現しそうな統一戦での激突を意識しながら、目の前の強敵と拳を交える。
報道陣の要請を受け、内山がWBAの黒ベルト、三浦がWBCの緑ベルトを肩にかけ、並び立った。「試合するわけじゃないのに変な感じです」と苦笑しながら内山は、続けた。「次にツーショットになる時は対戦だったらいいなと思います」。WBA王者の言葉を聞いたWBC王者の三浦は「来年あたりやりたいです」と笑顔で返し、2団体王座統一戦へのムードが一気に盛り上がった。
両王者が同時に防衛戦に臨むことに意味がある。故障さえなければ、次期防衛戦も同じタイミングで組むことができる。WBA世界スーパーフェザー級には、内山が昨年大みそかに王座統一戦で倒したブライアン・バスケス(コスタリカ)が暫定王者に返り咲いた。V9戦はバスケスとの指名試合になる可能性がある。またWBCは他団体との王座統一戦を敬遠する方向性がある。実現へのハードルは残るが、内山の所属ジムの渡辺均会長は「指名試合の問題さえクリアすれば、来春あたりに」と明言。三浦の所属する帝拳プロモーションの浜田剛史代表も「同時の防衛戦で、皆さんが『すぐにでも』ということになれば実現できると思います」と続けた。
内山-三浦戦が実現すれば、日本人王者同士の激突は昨年6月の井岡一翔-八重樫東のWBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦以来、2度目となる。11年1月に、内山が3度目の防衛戦で三浦に8回TKO勝ちしている「因縁」もある。三浦は「機会があればリベンジしたい。まずは大みそかに勝つことが先決」と言えば、内山も「2年半前は勝ちましたが、三浦選手は実力をつけている。今は金子選手と対戦するので目の前のことを考えます」。両者とも大みそかに集中した。
内山の挑戦者・金子は日本同級王座を4度防衛中で、王座奪取から5連続KO勝利中の強敵となる。三浦の挑戦者ハルドンも世界ランク2位で24勝中20KOという強打の持ち主。お互いにスリリングな挑戦者と拳を交え、どちらが最強なのかをアピールし合うことになる。【藤中栄二】
◆11年1月の内山-三浦戦VTR
内山はV3戦で三浦の挑戦を受け、3回に相手の左ストレートを浴びてダウンを許した。しかし、4回以降、左の高速ジャブを連発。三浦の右側顔面が腫れ上がるほどヒットさせた。中盤以降は左フックも連発で浴びせた。8回終了後のインターバルで、挑戦者陣営から右目の視力を失ったという申し出があり、そのままTKO防衛となった。

