北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの総合格闘家・石井慧(27)が、元PRIDE無差別GP王者ミルコ・クロコップ(39=クロアチア)と対戦することが20日、分かった。8月23日の総合格闘技大会IGF2(両国国技館)でのビッグマッチとなる。クロコップはPRIDE時代、エメリヤーエンコ・ヒョードル、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとともに「ヘビー級の3強」と言われた超大物。石井にとって格闘家としての将来を占う重要な一戦になる。

 石井にとっては待ちに待った相手との対戦が実現した。クロコップは、PRIDE時代にヒョードル、ノゲイラらと激闘を演じ、敗れはしたが「無冠の最強戦士」と異名を取った実力者。石井をデビュー戦で破った吉田秀彦や、桜庭らを破り、日本でも人気の格闘家だ。

 39歳となったが、その強烈な左ハイキックは健在。昨年3月には母国で行われたK-1ワールドGP優勝を果たし、同年11月にも試合をしている。

 石井は11年12月31日にPRIDE王者エメリヤーエンコ・ヒョードルと対戦し、1回KO負け。今回「3強」の2人目と対戦することになる。「目標はUFCでチャンピオンになること」という石井にとって、クロコップはUFCでも戦っているだけに、自分の実力を測る上で格好の相手となる。

 石井は現在、米ロサンゼルスに拠点を移しトレーニング中。1回2時間ほどの練習を1日2~3回こなし、次の戦いに備えている。同時に、米国籍を取って16年リオデジャネイロ五輪(ブラジル)での柔道競技に米国代表での出場を目指している。石井は4日に全米柔道体重別選手権に出場した際に「8月にIGFの試合が入るかもしれない」と話していた。

 IGF2は、アントニオ猪木が総合格闘技を前面に打ち出した大会の第2弾。そのメーンで石井が、クロコップとどのような戦いを演じるか。石井の真価が問われる一戦になる。