22日にボクシングのWBC世界スーパーフェザー級1位エドガル・プエルタ(32=メキシコ)との3度目の防衛戦(横浜国際プール)を控える、同級王者三浦隆司(30=帝拳)が14日、都内の所属ジムで練習を公開した。強打のサウスポーは「過去最高の仕上がり」と順調な調整ぶりを強調。「ボンバーレフト」と称される得意の左に加え、「ボンバーライト」の投下も予告した。昨年の大みそか以来、約11カ月ぶりのリングで豪快なKO決着を見せつける。

 三浦の表情は自信に満ちあふれていた。フィリピン人パートナーとのスパーリング。柔らかく上体を使って間合いを詰めると、左右の強烈なボディー。相手の攻撃をさばくと、今度は代名詞の左拳が火を噴いた。約11カ月ぶりのリングに「体のキレも良いし、パワー、スタミナもついた」「急激に伸びた感じがある」。ゴングを待ち望むかのように力強い言葉を続けた。

 昨年大みそかのV2戦以降は、蓄積したダメージを抜きながら、技術の習得に時間を充てた。中でも攻撃面で手応えをつかんだのが、「右」の使い方だ。ジャブが柔らかく打てるようになったことで「当てるのが難しかった」と話す右フックも出やすくなった。

 左構えも、もともと食事や字を書くなどは右。葛西トレーナーも「貫通するイメージの左に対して、右は衝撃で爆発する感覚」とその威力を証言する。アマ時代に相手を病院送りにしたこともあるという禁断のパンチに「一撃必殺。左ストレートより右フックの方が威力がある。今回の試合で当てたい思いはある」とKO奪取にも色気を見せた。

 成長を続ける三浦が、危険な両拳で勝利をたぐり寄せる。【奥山将志】