東京スポーツ新聞社制定14年度プロレス大賞の選考が8日、都内で行われ、MVPに新日本の棚橋弘至(38)が輝いた。IWGPインターコンチネンタル王座奪取、IWGPヘビー級王座奪回など、年間を通しての活躍が高く評価された。棚橋の受賞は3年ぶり3度目。最優秀タッグ賞には杉浦貴・田中将斗組。ベストバウトには8月10日西武ドーム大会のG1決勝戦、オカダ-中邑戦が選ばれた。

 来年1月4日、東京ドーム大会に追い風だ。オカダ・カズチカとのIWGPヘビー級王座初防衛戦。オカダに「くすんだ太陽」とやゆされたが、棚橋が文句なくこの1年輝き続けた証しを手に入れた。3度目のMVPは故ジャンボ鶴田さんと並び歴代3位タイ。ここ2年連続オカダが獲得してきたプロレス界最高の名誉を、棚橋が奪い返した。「驚きました。第4コーナー回ってから一気にまくって差した。痛快です」と棚橋は新日本プロレスでの会見で喜びをあらわにした。

 年頭の1・4東京ドーム大会では、IWGPインターコンチネンタル王座を中邑から奪取。夏のG1では、決勝進出こそ逃したが、8・10西武ドームでは、当時IWGP王者A・J・スタイルズを破った。さらに10月には、そのスタイルズからIWGP王座を奪回し、史上最多7度目の同王座戴冠という記録も樹立した。選考会では、その活躍ぶりと、団体の先頭に立って行うファンサービスなど、プロレス界への貢献度も高く評価された。

 「2015年はさらに野心を高めMVPを取りにいきます。予約しておきます」。11歳年下のオカダと世代交代をかけたIWGP戦。2年連続のMVP獲得のためにも、負けるわけにはいかない。【桝田朗】