蝶野の呼び掛けでプロレスも大連立へ始動※画像クリックで拡大表示

 格闘技界に続き、プロレス界も大連立に向けて動きだした。新日本の蝶野正洋(44)が19日、東京・水道橋の力道山OB会事務所で会見。蝶野と同会の岩沢敏雄事務局長の呼びかけで、新日本、ゼロワンMAX、ドラディションの3団体が1月4日の東京ドーム大会から相互に選手を派遣するなど、協調関係を結ぶことが決まった。同大会前には各団体の首脳会談が行われる。蝶野は全日本武藤敬司社長にも声を掛ける意向で、新日本を離脱した名選手の再結集へ1歩近づいた。

 劇的な連立成立だった。断るつもりで会見場を訪れたドラディション代表の藤波辰爾を、蝶野と岩沢氏が「プロレス界再生のため」と熱い口調で説得した。一時は敵対した新日本の菅林社長も頭を下げて頼んだ。意気に感じた藤波は「ドームに行きます」と大連立の象徴として、2年ぶりに新日本マットに復帰することを決断。ゼロワンMAXからは代表の大谷晋二郎こそケガで出場を断念も、新日本出身の高岩竜一と現王者の田中将斗が参戦する。

 背景には業界の低迷がある。かつて盟主として頂点を極めた新日本から、内部対立で人気選手が次々に離脱し、ファン離れを招いた。蝶野は「もう1度、業界に灯をともしたい。人気選手が元気なうちに再生できれば」と話す。

 蝶野はドーム大会開始前に3団体の首脳会談を行うと明言。関係者は「蝶野さんは武藤さんにも声を掛けると思う」と、全日本にも協力要請する考えがあることを明かす。そうなれば、分裂で実現が難しくなった藤波対長州、蝶野対武藤など、夢のカード再現の可能性も出てくる。さらに年間通した団体対抗戦も目指す。これまで対戦していない新鮮なカードが生まれ、若手は試合数が増えることで経験を積める。

 創業者アントニオ猪木のように「苦しくなったからくっつくだけ。企業もそうだが、大抵はうまくいかない」という否定的な声もある。それでも蝶野は「今、やらなければ」と強い決意で新たな試みに挑む。【来田岳彦】[2007年12月20日8時51分

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