暑い夏は「ちゃんこ鍋」で乗り切れ! 大相撲の夏巡業が3日、岐阜市内で始まった。相撲人気が回復し、夏巡業開催日数も昨年の9日から20日に倍増。日本相撲協会巡業部は、力士の体力負担を補うため、21年ぶりに巡業でのちゃんこ配給を復活させた。この日は、7人の世話人らが用意した約250人分の塩ちゃんこ鍋が振る舞われた。早速口にした幕内魁聖は「おいしい」と舌鼓を打った。

 かつての巡業では、各部屋や一門ごとにちゃんこを作る習慣があったが、より稽古に集中するために協会による弁当配給が一般的になった。だが、大幅に巡業が増えた今年は、岐阜など4カ所でちゃんこが復活。主導した巡業部の芝田山副部長(元横綱大乃国)は「弁当だけじゃ飽きるしね。ちゃんこは栄養バランスもいいから」と説明した。

 横綱白鵬は、ちゃんこ配給について「ありがたい。現地、現地で食べ歩くことは、元気の源」。食の充実は酷暑を乗り切る大きな支えになりそうだ。【木村有三】

 ◆ちゃんこ 角界では、鍋も含めて食事全体を「ちゃんこ」という。味付けでは角界No.1といわれる世話人の友鵬によると、この日の塩ちゃんこは、200人分の大鍋を2つ使用。具材は鶏肉、キャベツ、大根、えのき、しいたけ、長ネギ、薄揚げで、具材費は約10万円。今後は、冷製スープやカレーも「ちゃんこ」のメニューに入れる予定。夏巡業での配給地は岐阜の他、13日の福島・郡山、17日岩手・一関、18日秋田・三種の計4カ所。