東前頭7枚目の豊ノ島(32=時津風)が、全勝だった大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)をとったりで破った。

 立ち合いで頭から当たると、相手の圧力を感じながらも、タイミングよく琴奨菊の右腕をたぐって、2敗を守った。2人は02年初場所初土俵の同期生で、中学からしのぎを削ってきた宿敵であり友人。幕内39度目の対戦を制して優勝争いに生き残った豊ノ島は「そういうことは土俵に上がる前まで。土俵に上がった時は絶対に勝つという気持ちだった。でも、やっぱり意識はしていたんで、ハイ。大関の圧力が強かったので、中に入りたかったんですけれど…。必死で、どう勝ったかはあまり覚えていない」と息をはずませた。

 豊ノ島にとってこの1勝で、10年ぶりの日本出身力士優勝の好機も巡ってきた。「差が1つになったので、しっかり(優勝を)意識して頑張りたいと思います」と力強く決意した。