西前頭2枚目の宝富士が白鵬の“宝刀”を攻略した。右かち上げに対して左腕をぶつけて回避すると、差された腕を抱えて間髪入れず小手投げ。春場所初日以来、再び白鵬に土を付けて連勝を33で止め「やっちゃいましたね。慌てさせられたのかな」。自身2個目の金星に、八角理事長(元横綱北勝海)からは「(三賞を)2つぐらいあげたい」と称賛された。

 臆病な性格が幸いした。4日目の取組後、宿舎のテレビで栃煌山が流血した白鵬戦を見た。「怖い。(かち上げに)当たりたくない」。就寝前に妙案を思い付き、普段より体を起こしたことも奏功。鼻血は出たが「うちの横綱(日馬富士)に鍛えられているので」。16本(手取り48万円)の懸賞金は「貯金。守りです」と最後までガードの堅さが光った。