東前頭10枚目の貴ノ岩(26=貴乃花)が、亡き母の墓前にうれしい報告をする。12勝を挙げ初の三賞となる敢闘賞を受賞した。

 千秋楽の一番は、やはり三賞の殊勲賞を受賞したベテラン嘉風(34=尾車)との一番。左四つの体勢になったが中にもぐられ、一気に土俵際まで押し込まれた。両手でノド、胸を押し込まれ弓なりにこらえるピンチ。ここで右を強引に巻きかえ。腰が浮いたが、構わずこじ入れ2本差すと、体を入れ替え寄りきった。八角理事長(53=元横綱北勝海)も「昨日、今日と気迫ある相撲を取っている。対戦する番付上位の人も嫌がるだろう」と評価。条件に関係ない受賞だったが、1場所の自己最多勝利を12に伸ばした。

 部屋創設12年半の貴乃花部屋にとっても、うれしい初の三賞受賞力士となった。支度部屋に戻ると、再びマゲを結われながら精神統一。「もし横綱が負けたら、夢の舞台に立つのかなという思いで」(貴ノ岩)結びの一番を待った。日馬富士の勝利で、稀勢の里を交えた優勝決定戦(ともえ戦)の進出は逃したが「12番はうれしい。いい報告ができます」と話した。千秋楽一夜明けの25日に、母の墓参りなどのためにモンゴルに帰国する。