結びの一番で鶴竜を破り、2場所連続3個目の金星獲得。隠岐の海は第一声で「いいね~」とかみしめると、思わず表情を崩した。32本(手取り96万円)の懸賞金も獲得して、付け人に「お前が一番、盛り上がってるんじゃないの?」とおどけるなど喜びを爆発。初日で綱とり大関を撃破後、地元の島根・隠岐の島で住民が起こした反乱に例えた“隠岐騒動”は、早くも現実になった。

 右を差されて一気に土俵際まで追い込まれ「攻めようと思ったけど、横綱は出足がすごいし、引かない。当たりが良かったから食ってくれたのかな」。必死に押し返し、右で小手に振って逆転した。隠岐の島合宿、夏巡業をへて、場所前は8日まで尾車部屋で出稽古調整。尾車親方(元大関琴風)も「うちの弟子かというぐらい毎日いた。こんな直前まで稽古するのは珍しい。いい汗かいていたよ」と躍進の理由を明かした。

 隠岐の海は、反省点も踏まえつつ「立ち合いをしっかりいこうと。それがいい方向に出ている。勝ってますし、こういうときもあっていいよね」と話した。3日目は、名古屋場所でも勝利した日馬富士戦。「頑張りたいなあ。稀勢の里を倒したから、少しでも盛り上げたい」。まだ“騒動”は終わらせない。【桑原亮】