第72代横綱の誕生が確定した。日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定期委員会を開き、同協会から諮問された大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の横綱昇進問題について審議。満場一致で推薦することを決めた。

 この答申を受け、同協会は25日午前9時から開かれる大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)番付編成会議後の臨時理事会で、稀勢の里の横綱昇進を正式決定する。

 日本出身の横綱誕生は1、998年夏場所後の3代目若乃花以来19年ぶり。03年初場所の貴乃花(現貴乃花親方)を最後に途絶えていた、日本出身横綱が14年ぶりに復活する。3月の春場所は鶴竜(31=井筒)、日馬富士(32=伊勢ケ浜)、白鵬(31=宮城野)のモンゴル勢に加えて、17年ぶりに4横綱となる。

 委員会は10分あまりで終了した。一部で、昨年、初優勝した琴奨菊(32=佐渡ケ嶽)、豪栄道(30=境川)の両大関がその後、成績がふるわない状況を危ぶむ声も出た。それも、賛意を阻むものにはならず、守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)によると、出席した委員8人全員の賛意をもって満場一致で推薦の答申をした。残る委員3人からも、事前に賛意を伝えてられていたという。

 この会議を最後に、任期満了で退任する守屋委員長は「日本国民全員に敬愛されるような横綱になるよう願っている」と期待。30歳6カ月の昇進となるが「日本人の平均寿命は延びている。力士の土俵寿命が延びてもおかしくない。まだまだ活躍してくれると期待します」と語った。