1日3番、ご苦労さまです…。7勝2敗で勝ち越しに王手をかけていた東前頭10枚目の栃ノ心(29=春日野)が、西前頭13枚目の大翔丸(25=追手風)を“2勝1敗”で退け? 平幕第1号の勝ち越しを決めた。

 手つき不十分で立ち合い不成立の待ったが両者とも聞こえなかったのか、そのまま取り組み、1番目は大翔丸、2番目は栃ノ心が“勝利”。「えっ、3回目? マジかよ。うわ~」と心の中で叫んだ栃ノ心が、やっと立ち合いが成立した3回目に、強烈な張り手を飛ばし大翔丸を寄り切った。

 「オレは両手をちゃんと着いてたよ。ムカついたからバチバチ(張って)いこうと思った」と栃ノ心。膝のケガもあり昨年九州場所以来、今年初の勝ち越しに「3番も取って疲れたけど、勝ったから気持ち的にはいい」と喜んだ。

 一方、大翔丸は着替えを済ませると審判部室へ足を運んだ。手つき不十分だったのは大翔丸の方で、審判長を務めた藤島副部長(元大関武双山)から「しっかり腰を割って立つように」と注意された。自分の取組をビデオなどで見る際にも「手を着いてないのが多いのは分かってます」と自覚は十分にある様子。審判部に呼び出されたのも「今まで4、5回あります。自分が悪いんです」と反省しきりだった。