左上腕付近に負傷を抱え、9、10日目と連敗していた大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が11日目の24日、日本相撲協会に、前回と同じく「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の通院加療を要する」との診断書を提出して休場した。稀勢の里の休場は大関時代の14年初場所千秋楽以来、2度目。11日目の相手の関脇玉鷲は不戦勝となる。

 部屋で対応した師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「昨日の夜と今朝、本人と話した。『力が入らない。相撲にならない。すみません』と言うので、休場を決めました。今まで本人から言うことはなかったのでそういうの(横綱の責任)もあったと思う」と明かした。

 稀勢の里は春場所13日目の横綱日馬富士戦で左上腕と大胸筋付近を負傷。千秋楽で奇跡的な逆転優勝を果たしたが、その後の春巡業を全休して治療に専念してきた。急ピッチで仕上げて場所に臨んだが、2つの金星を許すなど10日目を終えて6勝4敗と精彩を欠いていた。

 田子ノ浦親方は「状態が悪化したというのではなく、中日を過ぎて力が入りにくくなっていた。昨夜(都内の)病院で診断書を出してもらった。結果は(以前と)何も変わっていなかった」と説明。今後については「来場所があるので、それに向けて治療していく。動いたりはできるので」と話した。