AKB48の都道府県選抜チーム8のメンバー3人が初のソロコンサートを行い、昨年の選抜総選挙でチーム最高の34位に入った熊本代表の倉野尾成美(16)が、小栗有以(15)に次ぐ2番手でソロステージに立った。

 「火の国の女なので、(過去の戦国)武将さんに負けない姿を見せたい」と気合を入れてステージに現れた倉野尾は、王道アイドルっぽさを前面に押し出した小栗とは対照的なステージを見せた。NMB48の「Must be now」では、中野郁海(鳥取代表)と下尾みう(山口代表)とともにヒップホップ風ダンスを披露。中盤戦では、欅坂46の「サイレントマジョリティー」をバンド演奏をバックにしたジャズバージョンで歌った。

 後半は一転、「彼女になれますか?」「ガラスのI LOVE YOU」と、アイドルソングで畳みかけた。変幻自在のパフォーマンスで2000人のファンを喜ばせ、「『どっちもできちゃうよ』というのが私のコンセプト。どっちが好きですか? 私はどっちもできる人になりたいんです」と誓った。

 MCでは、かつてHKT48の3期仮研究生だったことを明かした。「なこみく」こと矢吹奈子、田中美久らと13年にオーディションに合格し、日々レッスンをしていたという。「でもセレクション審査の前に、夢だったキッズモデルのお仕事が舞い降りてきて来たので、断念したんです」。しかし、なこみくらの活躍を見て、再びアイドルになることを決意。翌年チーム8のオーディションに再挑戦したという。「チーム8に入ったからこそ、今ここに立てていると思う。8になって良かった。最近すごく思います」と、ファンに感謝を語った。

 ファンやチーム8メンバーへの感謝を込めて歌ったバラード曲「支え」では、途中で感極まって歌えなくなる場面もあった。それでも、「まだまだ私は上を目指して頑張りたいし、感謝を伝えていけるアイドルになりたい」と力強く言い切り、大きな拍手を浴びていた。アンコールでは宮里莉羅が倉野尾の母からの手紙を読み、倉野尾は再び涙した。

 最後は「元気に終わりましょう」と、チーム8の代表曲「47の素敵な街へ」を披露した。熊本の45市町村をすべて読み上げ、「気になった街へ行ってみて下さい」と故郷をPRしていた。