6月の総選挙で選ばれたメンバーが歌うAKB48の37枚目シングル「心のプラカード」(8月27日発売)のミュージックビデオ(MV)が、今日30日から公開される。ダンス振り付けは個性派振付師、ラッキィ池田(54)が初めて担当。昨年の総選挙シングル「恋するフォーチュンクッキー」は振り付けがブームになった。異色コラボで「恋チュン」超えを狙う。

 今年の総選挙シングルのコンセプトは、前回の「恋チュン」(昨年8月発売)と同じく「みんなで踊れるダンス」だ。MVでは、センターを務める渡辺麻友(20)らメンバーやエキストラが、ハイタッチや手拍子をしたり、ピースサインを横にしたりと、分かりやすく印象的なダンスや振り付けが多い。メンバーは、ものの5~10分で覚えてしまったという。

 数々の個性的な振り付けで知られるラッキィは、総合プロデューサー秋元康氏から「昔のディスコダンスをやりたい」と電話で直接、打診されたという。最近では、ラッキィは、ブームになっているアニメ「妖怪ウォッチ」の「ようかい体操第一」も手掛けている。

 ラッキィは、ディスコに通い詰めていた日々を思い出しながら、振りを考案した。「誰かに思いを伝えたいという気持ちがあれば、君の中のミラーボールがクルクル回転して、心も踊りだすよ!

 みんなで踊って、日本を元気な社交場にしようよ!」。ラッキィ節でファンに呼び掛けた。

 「恋チュン」は、振付師パパイヤ鈴木(48)が、ミドルテンポの曲によく合う振りを付けた。まねしやすいことから、コンサートでも踊れるナンバーとして定着。MVも動画投稿サイト「ユーチューブ」で29日現在、4900万再生を記録。日本だけでなく米国など外国の人が、仲間らと踊った「恋チュン」ダンス動画をネットにアップするなど、振り付けが世界的なブームとなった。

 今回のMVも、曲名にちなみ、エキストラが心の叫びをプラカードに書いて掲げる場面があり、ファンが楽しめそうな要素が盛り込まれている。ブーム再来なるか、注目だ。

 ◆ラッキィ池田のおもな活動

 「ラッキィ池田ルック」と呼ばれる、子供用のゾウのじょうろを頭上に乗せ、ひもで縛り付けた状態で踊る個性的なキャラが話題となり、80年代後半ごろからブレーク。「日清カップヌードル」(アーノルド・シュワルツェネッガー)「競輪キャンペーン」(小池栄子、キャイ~ン)などCMやテレビ、映画、ミュージックビデオなどの振り付けを数多く担当。関根勤座長の劇団「カンコンキンシアター」にも出演、タレントとしても活動している。13年、赤城乳業BLACKバーアイスCMが「ギャラクシー賞」受賞。現在NHK・Eテレ「いないいないばあっ!」「にほんごであそぼ」などの振り付けを担当し、吉本総合芸能学院(NSC)の講師も務める。