47都道府県から1人ずつメンバーを選んで結成されたAKB48チーム8が今冬、デビューわずか8カ月でコンサートツアーに挑むことが25日、分かった。この日、名古屋で行われたミニコンサートで、チーム2作目のオリジナル曲の初披露とともに発表された。

 AKB48の異色の集団チーム8が、あっという間に全国ツアー開催にこぎつけた。名古屋最大の繁華街にある栄・久屋大通公園で行われた「わんだほ感謝祭」の特別ライブで、鳥取代表の中野郁海(14)が「最後にもう一つ発表があります!

 トヨタさんのサポートで、チーム8単独での全国ツアーを行います!!」と叫ぶと、ファンからどよめきと歓声が起こった。

 関係者によると12月初旬からスタート予定。4月のチーム結成から、わずか8カ月で初のコンサートツアーだ。結成から初ツアーまで大先輩のAKB48は1年3カ月、SKE48は2年2カ月、NMB48は1年7カ月、HKT48は2年3カ月もかかった。グループとチームの違いはあるが、1チームで47人の大所帯。実質的には国内5番目の48グループだ。そんな新興勢力が史上最速のステップアップ。中野は「自分で発表しておきながら、全く実感がないんです」と照れ笑いした。本人たちも想像しないほどの早さで成長している。

 人気が出てきた証しだ。AKB48の従来のスタイル「会いに行けるアイドル」とは正反対の、「全国に会いに行くアイドル」として、毎週末に全国各地のイベント出演に飛び回ってきた。たまに東京・AKB48劇場などにも出演。全国をフィールドにした神出鬼没な活動が、追っかけファンの心をくすぐり、熱気が日に日に高まってきた。06年12月のAKB48誕生から取材し続けるアイドル評論家岡田隆志氏は「初期のAKB48に似ている」と話す。頼れる先輩メンバーもおらず、同期生たちだけでがむしゃらに歌い踊る姿が、AKB48の原風景に重なる。

 この日も、暑い日差しの下で汗びっしょりになって笑顔を振りまき、チーム2作目のオリジナル曲「制服の羽根」を初披露した。熊本代表の倉野尾成美(13)は「気合を入れて、全国制覇したいです!!」と意気込んでいた。【瀬津真也】

 ◆チーム8

 1~3月に全47都道府県で各地方テレビ局主催のオーディションを開催し、1人ずつ合格者を決定。4月3日に47人でチームを結成した。5月から全国のイベントを回り、夏休みには48グループ専用劇場での公演、AKB48東京ドームコンサートにも出演した。トヨタ自動車がチームスポンサーにつき、プリウスPHVのイメージキャラクターになっている。