若年性乳がんのため24歳で亡くなった女性と恋人や家族の実話が映画化され、女優栄倉奈々(20)と俳優瑛太(25)が主演することが6日、分かった。タイトルは「余命1ケ月の花嫁」(広木隆一監督、来年5月公開)。迫り来る死と向き合う長島千恵さん(栄倉)と、懸命に支える恋人の赤須太郎氏(瑛太)が極限状態で織り成す愛を描く。

 原案はTBS系で放送されたドキュメンタリー。昨年5月の同局「イブニング5」で特集が組まれ、同7月に特番「余命1ケ月の花嫁~乳がんと闘った24歳

 最後のメッセージ」が放送された。進行の早い若年性乳がんと千恵さんが闘い、太郎氏が献身的に支える生活に密着し、視聴率16・6%を記録。1000件を超える声が寄せられ、同12月発売の書籍が約42万部を売り上げるなど大きな反響を呼んだ。

 番組では、病室で闘病する様子や苦悩する姿を中心に映したが、映画では千恵さんと太郎氏の出会いから別れも深く掘り下げるという。2人は昨年4月5日に模擬結婚式を挙げ、翌5月6日に千恵さんが息を引き取るまで、最後の1カ月を夢だった“夫婦”として過ごした。余命幾ばくもない中で“結婚”を決めた2人の愛を浮き彫りにする。

 映画化や配役はナーバスな問題でもあったが、平野隆プロデューサーは「乳がん撲滅を願った千恵さんの遺志を、映画を通して伝えることが遺族の方々との共通の思い」。栄倉は「千恵さんのメッセージを自分の体を通して、たくさんの方にお伝えすることは重大な役割」。瑛太は「たくさん涙が出ました。彼女が番組を通して伝えたかったことを僕は映画を通して体現したい」と話した。撮影は10月スタート。