俳優西田敏行(62)が、人気コミックを原作にした映画「星守る犬」(滝本智行監督、来夏公開)に主演することが決まりこのほど、北海道名寄市でクランクインした。原作は泣ける本NO・1に選ばれた作品で、失業、離婚した中年男性「おとうさん」と秋田犬ハッピーの旅を描いた。撮影は、同市のサンピラーパークにあるひまわり畑で始まり、40万本のひまわりを前に、西田は「おれのために書かれたような台本」と、役に入り込んだ。

 物語は、身元不明の男性が、山中にあった車中で見つかるところから始まる。そばには男性より半年後に死んだ秋田犬がいた。西田は、東京から北上し、1000キロ以上旅を続けた1人と1匹に共感した。

 「人生に対するあきらめの気持ちに至った男に、最後まで無償の愛を注いでくれた犬がいた…という、何とも言えない寂しさと悲しさといとおしさ。泣いちゃいました。そっと人知れず消えたい、という気持ちも分かります」。

 また、西田も八兵衛という犬を飼っており、7~8年前に死んだ時には喪失感が襲った。今も携帯電話に写真を入れ、骨はまだ埋めることができない。さらに、心臓を悪くしていく主人公と、心筋梗塞(こうそく)を経験した自分も重なる。「あれ?

 おれのために書かれた台本かな」と話すほどになった。

 最近はコメディーの印象が強いが「一般的なお父さん像を作ろうと思います。没個性で。至難ですが、やりがいがあります」と話した。西田+犬+死なら、号泣間違いなし、と、最初から期待感が高くなることに対しても「泣いてもらいたい」と自信を見せた。

 撮影は今月末まで北海道で行われ、その後、物語とは逆に南下するように、青森、岩手、宮城、福島、東京で行われる。来年2月に完成予定。ほか玉山鉄二、川島海荷、余貴美子、岸本加世子、藤竜也、三浦友和が出演。【小林千穂】