第34回日本アカデミー賞授賞式が18日、都内で行われ、「悪人」の妻夫木聡(30)深津絵里(38)が最優秀主演男女優賞をダブル受賞した。同作はほかに、助演男女優を獲得した。

 妻夫木は主演舞台「南へ」のため、途中退席し、池袋芸術劇場から中継で喜びを伝えた。「役者をやってきた中で全身全霊を尽くした。自分を信じてやった集大成が詰まった作品。李(相日)監督、家族、共演者、みんなに感謝します」と声を詰まらせた。

 深津も「妻夫木さんと戦えたことは大きな財産になりました。妻夫木さんでなければこの賞はいただけなかった。後で一緒に抱き合って喜びたい」。共演はドラマを含め3度目。最高の結果になったことを喜んだ。

 同作で助演男優賞を受賞した柄本明は「しつこい監督で、最後の方は腹が立って顔も見なかった。でも心の中でそういう監督を待ち望んでいた」、助演女優賞の樹木希林は「50年ほど前に役者を始めた時に杉村春子さんに『役者は定年がない』と言われました。今、しみじみそう思います」と語った。

 また、作品賞は「告白」、監督賞も同作の中島哲也監督が受賞。中島監督は「この映画に出演して得なことは1つもないのに、俳優が果敢に挑戦してくれた」と喜んだ。