堂本光一(37)主演のミュージカル「Endless SHOCK」が3月14日、上演回数1400回を突破した。00年に帝劇で初演され、毎年公演を重ね、わずか17年の超最速で1400回を達成した。単独主演舞台では上演回数2017回と日本一の故森光子さんの舞台「放浪記」が1400回を突破したのは、61年の初演から38年後、79歳の時だった。

 人気の理由は、年々、進化・成長を続けていることに尽きる。上演を重ねるごとに、新しい、チャレンジングなショー場面が必ず追加され、定番となる場面にしてもレベルが確実に上がっている。だから、初演から毎年、欠かさず見ているが、飽きることはない。かえって、見終わった後の満足度は、年々増しているほどだ。07年に菊田一夫演劇賞の大賞を受賞している。

 そんな「SHOCK」も終了寸前の出来事があった。05年秋、06年の同公演で終了し、07年から光一が演出・構成・主演する新作を上演すると発表した。しかし、毎回、即日完売して、見られないファンが多い上に、終了発表後の公演チケット発売では定員14万人に208万件の応募が殺到。「まだ見ていないのに終了は悲しい」という声が相次ぎ、新作上演を断念。07年からも公演を続けた経緯がある。

 演者としては、新しいものに挑戦したい気持ちもあるだろうが、一方で、ファンに支えられてこその舞台という一面もある。07年の再上演後の光一の舞台はよりストイックになったような気がする。毎回、22段の階段落ちや様々なフライングに加え、新しいパフォーマンスにも挑み、それに対応できるように体を鍛えている。1000回前から上演回数の記録が話題となることが多くなったが、光一は「回数にはこだわらない。今日の公演がすべて」というスタンスを変えていない。「SHOCK」を愛するがゆえに、上演を続ける責任の重さを人一倍感じているのだろう。森さんの「放浪記」のように70代、80代になってもできる舞台ではない。ただ、光一の気力・体力がある限り、続けてほしい舞台である。何年後かになるだろうが、2000回という大台も、今の光一なら達成できるだろうと思う。【林尚之】