◆予告犯(日)

 ネット動画を駆使し、劇場型犯罪を演出する連続予告犯グループ。絵に描いたような今風のテーマやけど、実に切ない話やった。予告犯グループ「シンブンシ」のメンバーは、ゲイツ(生田斗真)カンサイ(鈴木亮平)メタボ(荒川良々)ノビタ(浜田岳)ヒョロ(福山康平)。袋状にした新聞紙のお面は不気味やが、そこに至ってしまった背景に深刻な世相がある。

 不就労期間があるばかりにハローワークで仕事にありつけん若者が、不法投棄場に住み込みで働く。「今どき、こんなんあり!?」と驚く劣悪な環境で出会った5人が予告するのは、社会正義、世直しを思わせる犯罪ばかり。「最近の若いやつは…」とこぼし、世代の違いをつい「甘え」と断じる自分がちょっと恥ずかしなった。

 中村義洋監督はさすがと思う。「ゴールデンスランバー」とか「ポテチ」とか。登場人物の心が匂う作品には、役者の力だけやなく、この人の手腕がある。

 さて主演の生田。うまい。「脳男」「土竜の唄」とか針が振り切れた演技に驚いたけど、感情がにじみ出る役もさらっとできる。鈴木もええな。アクションもできる正統派。期待大や。【加藤裕一】

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