月組の美形スター朝美絢が7日まで兵庫・宝塚バウホールで上演中の初主演作「A-EN(エイエン)」で“ツンデレ王子”を演じている。

 昨秋の「PUCK」新人公演で、妖精の主人公を好演して約1年。朝美がバウ初主演へとステップアップした。

 「舞台では、みんなのパワーがセンター、中心に集まってくるものなんだって実感しています」

 学園ものラブコメディー。「モテ男子」が、さえない少女を磨き上げる様を描く。昨春に人気漫画を実写化した映画「L・DK」で“学園一のイケメン”を演じた山崎賢人をイメージして役作りした。

 「(山崎と同じく)壁ドンもあります。私はツンデレではないけど、やんちゃな印象らしいので、そのあたりはやりやすいかなって」

 同期男役には星組の礼真琴、花組の柚香光ら、既に各組で主要位置を占めるスターがいる。次世代を担う黄金世代95期の1人だ。

 「同期は誇り。頑張っている姿を見て、自分を奮い立たせています。私は納得がいくまで練習をする。時間がかかるタイプです」

 自分のペースは崩さない。好きな言葉は「成功の反対は失敗じゃない、何もしないこと」だ。月組はトップ龍真咲を筆頭に、フェアリー系の男役が多い。「私は、ガッツリ系の男役だと言っていただくので、それを武器に芯の通った包容力のある男役に」。己をしっかりと見て、ライバルの背を追う。【村上久美子】

 ◆バウ・ワークショップ「A-EN(エイエン)」(作・演出=野口幸作氏) 朝美絢、暁千星の若手「A」2人による2パターンのミュージカル。米高校生の学園もの。朝美は「ツンデレ美男子」にふんし、さえない少女を美少女に変え、暁は「残念男子」を演じ、美少女に出会い自分磨きを始める。朝美主演版は7日まで。暁版は14~23日。2部構成で、2幕はショー。

 ☆朝美絢(あさみ・じゅん)11月6日、神奈川県鎌倉市生まれ。清泉女学院を経て、09年「Amour それは…」で初舞台。95期。月組配属。小栗旬の父と旧知の住職に、「旬」の字を使った芸名をもらう。昨年10月「PUCK」で新人公演初主演。身長169センチ、愛称「あーさ」「J」。