元経済産業省官僚の古賀茂明氏(59)が27日、テレビ朝日系「報道ステーション」に生出演し、番組を“ジャック”した。古舘伊知郎キャスター(60)と自身の番組“降板”を巡って、口論のような形に発展した。

 番組中盤、緊迫する中東情勢を伝える場面で、古舘が古賀氏に解説を求めると、この日が最後の出演になるという古賀氏が切り出した。

 古賀氏 ちょっとその話をする前に。テレビ朝日の早河(洋)会長と、古舘プロジェクトの佐藤(孝)会長の意向で今日が最後ということに(なりました)。

 これまで古賀氏は同番組で、「I am not Abe」などと安倍政権に批判的な発言を繰り返していた。

 古賀氏 これまで本当に多くの方に激励していただいた。一方で菅官房長官をはじめとして、官邸のみなさんのバッシングを受けてきた。それを上回る応援で楽しくやらせていただきまして、本当にありがとうございました。

 降板した理由を話すと、古舘も「ちょっと待ってください。今の話は承伏できません」と対抗したが、古賀氏は「古舘さんもその時におっしゃりました。『この件に関してはお役に立てなかった。本当に申し訳ない』と。全部録音させていただきましたので、そこまで言われるなら全て(データを)出させていただきます」と引かない姿勢で、いったん収束した。

 しかし、その後も「自分で作ってきました」と、「I am not ABE」と書かれた手製の紙を広げた。古舘は「番組ではこれまで川内原発に対する指摘や、辺野古の問題についても取り上げてきたじゃないですか」とたしなめると「私もツイッターでぜひ見てほしいと書きました。でも、それを作ってきたチーフプロデューサーが更迭されます」と反論。これには古舘も「更迭ではない。私は人事のことまでわからないけど、それは違う」と否定した。

 さらに古賀氏は安倍政権について「原発復権・官僚復権・行革埋没」と指摘するフリップを見せたが、古舘が「ちょっと時間もないので」と制止すると、古賀氏は「そういうことは言ってほしくなかったのですが」と渋々フリップを降ろした。続けてマハトマ・ガンジーの言葉をフリップで出し、「私が言いたかったのは、言いたいことはそのまま自然に言いましょうということ。裏で圧力をかけたりはやめましょう」と話した。