樹木希林(72)主演映画「あん」(河瀬直美監督)が、カナダで10日に開幕する、第40回トロント映画祭コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門に出品されることが3日、決まった。

 「あん」は5月にフランスで開催された世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭ある視点部門に出品されているが、トロント映画祭も米アカデミー賞の前哨戦と位置付けられ、国際映画祭の中でも近年、その権威と重要性が増している。樹木と河瀬監督が、北米でのプレミア上映のタイミングに合わせてトロント入りすることも決まった。

 河瀬監督は「世界を代表する現代の作家という位置づけに『あん』を選んでいただいたことを誇りに思います。アカデミーに1番近い映画祭と言われながらも、市民の映画祭と称賛される、たくさんの映画が世界から集まるトロントへ(主人公)徳江の残したメッセージを(徳江を演じた)樹木希林さんと共に伝えに行ってきます」とコメントした。

 また映画祭のアーティスティック・ディレクター・キャメロン・ベイリー氏も「河瀬直美監督は、またしても、この『あん』ですばらしい洞察力と美を映画に焼き付けています。我々は、河瀬監督とすばらしい女優・樹木希林さんがトロント入りすることに感激しています。トロントは、毎年豪華なゲストを招待していますが、このようなすばらしいゲストの参加は映画祭にとって特別なもの」と喜びのコメントを寄せた。