演出家で俳優や声優としても活躍した熊倉一雄さん(享年88)の「お別れの会」が1日、東京・渋谷区のエコー劇場で行われ、約500人の関係者やファンが故人をしのんだ。

 人気アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌を歌唱した熊倉さんは、2次会などでカラオケに行くと、いつも「おれの曲を入れろ」と言っては、「ゲッゲッ、ゲゲゲの-」と楽しそうに歌唱していたという。そのため、この日の会は同曲の演奏から始まった。

 また、熊倉さんがディズニー作品の声優を担当した縁から、ウォルトディズニー米国本社からキャラクター原画4作品が追悼の言葉とともに贈られたことも発表された。

 正子夫人は今年8月に体調を崩して入院した夫が、10月に2時間だけ帰宅できた際、「良かった」と涙を浮かべて喜んだエピソードを披露。舞台にしつらえた祭壇に、参列者から多くの白いカーネーションを手向けられたことを「幸せ者です」としのんだ。

 「-鬼太郎」で初主演した声優野沢雅子(79)も参列した。同アニメの原作者の漫画家水木しげるさん(享年93)も11月30日に死去したばかり。「みんな向こうの世界に行ってしまった」「2人はあちらで一緒にやっているかも。こちらに原作を送ってもらうわけにもいかないし…」などと寂しそうに語った。