フリーキャスター辛坊治郎氏(59)が23日、大阪市内で著書「ニュースで伝えられないこの国の正体」(KADOKAWA)の出版記念サイン会を行った。盟友でもある橋下徹大阪前市長(46)の政界復帰について「100%ある」と予言した。

 かつてテレビ番組で共演するなど、親交の深い辛坊氏は「引退したらもう戻ってこないだろうと思っていたが、大阪都構想が住民投票で否決された後の(橋下氏の)政治的な発言や行動を見ていたら100%出ると確信した」と“完全引退”の見方を撤回した。

 さらに盟友の政界復帰のシナリオも深読みした。「大阪都構想を実現させるためには次の衆院選が大きなポイントになる」。維新は大阪府、市両議会とも過半数に届かない。再び都構想を前に進めるためには他党の協力が必要となる。カギを握るのは、11月のダブル選で自主投票を貫き、維新側が他党の中で唯一攻撃を控えてきた公明党だ。

 「公明党に協力してもらうには衆議院小選挙区の大阪の4つ、兵庫の2つ、この6つの小選挙区で維新が候補者を立てないという条件で協力してもらうしかない。次の衆議選の前は維新にとっては最後の勝負をかけるとき。もし来夏、衆参同日選になるなら維新は仕掛けないと手遅れになる」。

 維新の都構想実現を推し進めるための最強カードが「橋下徹」だと指摘する。「ジョーカーとして『橋下徹』というカードを公明党の一番いやがる選挙区に立てる。もし公明党と水面下で話がついたら出ない。ジョーカーは見せるカードですからね。参院選だけなら橋下氏は出ない」。

 ただしジョーカーが“温存”された場合は、大阪都構想の総仕上げとして「維新は堺市長を本気でとりにいくでしょう。確実に勝てるのは橋下徹しかいない」と、17年秋の堺市長選での政界復帰が濃厚とみている。

 盟友の政界復帰を裏側から深読みするように、著書「ニュース-」は日々のニュースに隠れた真相を辛坊氏が解き明かしていく。