今年のノーベル文学賞に選ばれた米シンガー・ソングライターのボブ・ディランが沈黙を続けていることに対し、選考主体のスウェーデン・アカデミーのメンバーが21日、スウェーデン公共放送SVTのインタビューで「無礼かつ傲慢(ごうまん)だ」と強く批判した。

 作家らでつくる同アカデミー(定数18)の一員のペール・ウェストベリ氏で、「この事態は予測しなかった」と困惑気味に語り、ディランの真意を「ノーベル賞を欲しくないのだろう。自分はもっと大物だと思っているのかもしれない。あるいは反抗的なイメージのままでいたいのかもしれない」と推測した。

 アカデミーは13日の授賞発表後、ディランに再三連絡を試みてきたが、接触できないまま既に1週間が経過。12月の授賞式に来るのかどうかも不明で、権威を傷つけられたいら立ちが噴出した形だ。