宝塚歌劇団雪組トップスターの早霧(さぎり)せいなとともに、来年7月23日付で退団することを発表したトップ娘役の咲妃(さきひ)みゆが22日午後、兵庫県宝塚市内で会見した。男役ありきの宝塚では極めて異例のトップと同日会見となったことに咲妃は「私がずっと(早霧と)片時も離れたくないという思いで、ご一緒してきましたので、神様が与えてくださった機会なのかなと思います」と、うっすら目に涙を浮かべながら感激した。

 くしくも、この日は11月22日で「いい夫婦の日」。仲良しコンビだけにファンからは祝福の声が相次いでおり、咲妃は「偶然が重なり、両親からも『いい夫婦の日でよかったね。人生で思い出に残る日になるね』と言ってもらいました」と明かした。

 咲妃は10年に入団。月組を経て14年1月に雪組へ移り、同9月の早霧のトップ就任に伴い、相手娘役に迎え入れられた。

 「早霧さんからは『どんなことがあっても、一緒に同じ方向を向いていこう』と言っていただき、それは今も私の中で変わらない」

 舞台への熱い取り組みが比類ない早霧とは9年の学年差があり、咲妃は「一生懸命ついていかないと、置いていかれちゃうと思って、ご一緒してきました」と振り返った。

 早霧については「本当にパワフルな男役さんで、お芝居、ダンス、歌とすべてに心が込められていて、もう感謝することばかりです」と言い、就任当初から早霧と同時退団を決めていた。早霧から退団の決意を告げられたときも「迷いはなかった」と添い遂げ退団の意向をすぐに返したという。

 この日は、2カ月前にこの日の会見に備えて買ったワンピースで登場した。胸には雪組の「雪」をあしらった飾りボタンが着いており「もう、この服を見つけたときは運命だと思った」と笑顔で「雪」ボタンを指さしてアピールした。

 退団公演は、来年4月21日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「ミュージカル・コメディ 『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』」「Show Spirit 『Dramatic “S”!』」。東京宝塚劇場は同6月16日に開幕し、咲妃は早霧とともに、7月23日の同東京公演千秋楽で退団する。

 退団後については「まだ何も予定だったことはございません。信念を持って、たくさんのことにチャレンジしていきたい」と話すにとどめた。