海外でも活躍する女優の工藤夕貴(46)が、容姿などについてネット上で「劣化」と揶揄(やゆ)する風潮を批判した。

 工藤は31日放送のNHK「ごごナマ」に出演。アイドル歌手として芸能界デビューしてから、ハリウッド映画で活躍する女優となったこれまでの人生を振り返った。

 初めての海外映画出演は1989年にジム・ジャームッシュ監督作「ミステリー・トレイン」。以降はジャームッシュ作品の常連となったほか、99年公開の「ヒマラヤ杉に降る雪」でヒロインを演じるなど数々の海外作品に出演している。

 海外進出に挑戦したのは「日本はやっぱりオーディションがないので、自分の力で自分のやりたい役を自分で演じることによって勝ち取れる世界にすごく憧れて」という思いからだったという。当時、オスカー女優のキャシー・ベイツがミュージカル出演をオーディションで勝ち取ったという話を聞き「もしかしたら日本ではもう夢がなかなか追いかけられなくなっているけど、アメリカなら夢を勝ち取る挑戦ができるかもしれない」と思い立ったと明かした。

 渡米後は、言葉の壁や人種差別などにも苦しんだが、今ではハリウッドでの立ち位置も確立。また、「自分では童顔だと思っていない」という自身の容姿も、アメリカでは日本以上に童顔に見られるといい、それが武器になっているとも。35歳のときに15歳役でキャスティングされたこともあり、「それはすごいうれしいこと。今でもたぶん自分の実年齢よりはアメリカにいれば若い役を演じられる」と語った。

 しかしその一方で、「インターネットで“劣化”って言うじゃないですか。アレ悪いと思う。“進化って書いて欲しい。進化なんです。人間は進化していきますから。劣化っていうとどんどん悪くなってるみたいだけど、若くてキレイなだけが良いことではなくて、やっぱり年を取っていって成長していくことが人にとって大事なことなので。わたしは是非とも進化と書いていただければ」と訴えた。