「憧れのハワイ航路」「悲しい酒」などのヒット曲で知られる作詞家の石本美由起(いしもと・みゆき、本名石本美幸=いしもと・みゆき)さんが27日午前0時50分、死去した。85歳。広島県出身。自宅は横浜市神奈川区松ケ丘。葬儀・告別式は近親者らで6月1日午前11時から横浜市港北区菊名2の1の5、妙蓮寺で。喪主は未定。

 第2次世界大戦中、歌手の東海林太郎に感銘を受け、作詞家を目指した。復員後、歌謡同人誌に投稿を続けた結果「長崎のザボン売り」が作曲家の目に留まり1948年にプロデビュー。同年、岡晴夫の「憧れのハワイ航路」が大ヒットした。

 日本コロムビア専属となってからは、美空ひばりさんの「港町十三番地」「悲しい酒」など人気歌手の代表作を多く手掛けた。作曲家船村徹さんとの名コンビでも知られた。

 83年に「矢切の渡し」、84年に「長良川艶歌」で日本レコード大賞を受賞した。

 「人との出会いで受ける刺激から作詞のイメージを育てている」のがモットーで、日本人の心情を豊かに描き出した。晩年も創作意欲は衰えず、作詞した作品は3500曲を超えた。

 日本音楽著作権協会(JASRAC)の理事長を89年から94年まで務めた。

 84年に紫綬褒章、98年には勲3等瑞宝章を受章。

 [2009年5月27日13時14分]ソーシャルブックマーク