作曲者偽装が問題になっている佐村河内守氏(50)の記者会見を受け、楽曲を代作していた作曲家新垣隆氏(43)は7日午後、「私が謝罪会見や雑誌の手記で述べたことは全て真実であり、変更することはありません」とするコメントを発表した。

 新垣氏は週刊文春のインタビュー記事や謝罪会見で、佐村河内氏の聴覚について「聞こえないと感じたことはない」「私が録音した曲を彼が聴き、コメントをもらった」と説明していた。佐村河内氏はそれらの発言を「耳に関しては全てうそを言っている」と批判、新垣さんを名誉毀損(きそん)で訴える意向を示した。

 週刊文春でこの問題を報じたノンフィクション作家神山典士氏は記者会見に出席後、報道陣に「全く誠意を感じられない。謝る一方で名誉毀損で訴えるとか、むちゃくちゃな論理だ」と批判。「(作曲という)大前提がうそで、全て虚構と認めているのに訴訟はあり得ない。何をやろうとしているのか」と話した。

 また、佐村河内氏は07年に出版した自伝「交響曲第一番」について「新垣さんもうその自伝本の構成に加担した」と主張。刊行した講談社は「あらためて版元としての責任を重く受け止めている」とのコメントを出した。