【ロンドン、ニューヨーク28日(日本時間29日)=鈴木雅子、鹿目直子通信員】25日に急死したマイケル・ジャクソンさん(享年50)の検視結果が一部で流出し、英紙がその内容を報じた。マイケルさんの遺体は救急隊の必死の心臓マッサージを物語るように肋骨(ろっこつ)を数本骨折しており、空っぽの胃の中には溶け始めた薬だけが残っていたという。また、遺族による独自の解剖を終えたマイケルさんの葬儀は、7月1日に行われる可能性がでてきた。

 英サン紙が報じたのは、ロサンゼルス郡検視局が26日に行った遺体解剖の内容とみられる。同紙によると、マイケルさんの遺体は蘇生(そせい)を試みる救急隊らによる心臓マッサージの激しさの影響からか、肋骨が数本折れていた。胸には4つの針あとが発見された。心肺停止状態となった心臓を再び機能させるため、アドレナリン注射が打たれたとみられ、臀部(でんぶ)や太もも、肩にも注射針による傷が残っていた。

 身長175センチ前後のマイケルさんの体重は約55キロだったとされるが、遺体の体重は50キロだった。胃の中は一部溶けていた薬以外、空っぽの状態だった。同局は発見された薬のサンプルを基に、検査を行っていくようだ。

 晩年は、黒かった頭髪は薄くなっており、モモの産毛を少し多くしたような毛が生えているだけだった。周囲が心配するほど過剰摂取していたとされる薬物の副作用かもしれない。ただし、マイケルの主治医コンラッド・マーレー氏はAP通信の取材に、体調により薬は処方していたが、デメロールなどの鎮痛剤の投与は否定している。

 3時間にわたる検視の結果、大きな外傷は見られなかったが、毒物学、神経病理学などの検査にさらに時間が取られるため、死因に関する最終結果が出るまでには最高で6週間ほどかかるとされている。

 その後、遺体を引き取った遺族の希望で行われた独自の解剖もすでに終了した。この日、複数の取材に応じた父ジョーさん(79)は結果について明言しなかったが、葬儀を水曜日に執り行うことを示唆し、遺体を自宅だったネバーランドに埋葬する可能性を明かした。

 [2009年6月30日7時36分

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